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社説:漫画規制都条例 依然残るあいまいさ - 毎日jp(毎日新聞)

漫画やアニメなどの性表現をめぐり、東京都が条例の改正案を提出している。6月の定例都議会で否決された改正案を修正して出し直した。

 修正前の改正案では、18歳未満として描かれた漫画やアニメなどに登場するキャラクターを「非実在青少年」の造語で定義した。そして、その非実在青少年による過度な性的行為を描いた漫画やアニメを子供に売ったり、見せたりしないよう関係業界に区分陳列するなどの自主規制を求めるという内容だった。

 この中には、児童ポルノについて、「何人もみだりに所持しない責務を有する」との規定もあった。

 しかし、6月の定例会では「表現の自由を侵すおそれがある」として否決された。そこで、都は「あいまいと批判された条文をより明確化した」として、改正案を修正のうえ再提出した。

 問題となる描写の「まん延抑止」を都民に努力義務として課した規定が削除され、児童ポルノを所持しない責務については、「根絶への自主的取り組みに努める」と変更した。また、インターネットで違法・有害な行為をした子供の保護者に対して「都は必要な調査ができる」との条文も改め、「情報提供や支援を行う」との表現にとどめた。

 規制の対象は「刑罰法規に触れる性交や婚姻を禁止される近親者間の性交を不当に賛美・誇張して描写したもの」となっており、都側は「違法な性行為を不当に賛美や誇張したアニメや漫画だけが対象。表現の自由は侵さない」と説明している。

 しかし、漫画家や作家などは、「行政による恣意(しい)的な解釈が可能なあいまいな規定は変わらない。逆に、非実在青少年の表現がなくなったことにより、18歳以上のキャラクターによる表現も対象となり、規制の範囲が拡大している」として、強く反対している。

 過度な性描写を含む漫画を子供に見せていいのかという問題はもちろんある。出版業界などが自主規制を行っているが、十分なのかという疑問もあるだろう。

 ただし、過度な性的表現は現在の条例でも規制対象になっており、新たな規定を設けなくても規制できるはずだ。わいせつ物については刑法による取り締まり規定もある。

 無論、過度な性描写が子供の目に触れないようにするため、自主規制の努力を怠るようなことがあってはならない。

 しかし、規制強化によって漫画家などの表現が全般的に抑制がちになり、日本の漫画やアニメの人気が落ちるようなことになっては困る。条例改正については、その点も考えて対応してもらいたい。

毎日新聞 2010年12月10日 2時30分

http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20101210k0000m070114000c.html

「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(第156号議案)について(日本図書館協会)

2010日図協第187号
2010年12月3日

東京都知事   殿
東京都議会議長 殿

社団法人日本図書館協会
図書館の自由委員会
委員長  山家 篤夫

「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例」(第156号議案)について(要請)

 日本図書館協会は本年3月、東京都知事が都議会に提出した「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」(以下、「条例案」という。)につきまして、都民の有する表現の自由と知る権利を侵害することを懸念し、また図書館サービスの健全な進展にも関わることとして慎重なご審議を要請いたしました。

この条例案は6月都議会において、真摯な審議がなされた結果、成立させるとの判断はなされず、否決されました。しかしこのたび新たな条例改正案(以下、「本件条例案」という。)が都議会に提出されました。私どもは本件条例案を丁寧に検討した結果、先に否決された条例案と本質的に変わらないものと判断しました。

 以下、その判断理由について述べ、慎重な対応をされることを要請いたします。

 本件条例案においては、条例案中の創作物規制に係る造語「非実在青少年」(18歳未満)は削除されましたが、創作物を規制の対象とすることに変わりはなく、規制する創作物のキャラクターを18歳以上のものと全年齢の人物に拡大しています。また、青少年と性を扱う図書類一般を規制の対象とする造語「青少年性的視覚描写物」も削除されましたが、行政が創作物中のキャラクターの行為が性的犯罪を構成すると判断したり、婚姻ができない者どうしの性的行為であると判断した場合は規制の対象としています。また、規制の要件として、創作物がかかる行為を「賛美し又は誇張」したり、表現された行為が「社会規範に反する」との文言を加えていますが、これらは規制の主体である行政当局の恣意や主観を許すもので、表現の自由と知る自由を制約する法令である本件条例案からは除外されるべきです。

 以上により、先の条例案の際、6点にわたってお示しした危惧や疑念を拭えるものではありません。

 「ユネスコ公共図書館宣言」(1994年11月)は、「公共図書館は,その利用者があらゆる種類の知識と情報をたやすく入手できるようにする,地域の情報センターである」と規定し、「いかなる年齢層の人々もその要求に応じた資料を見つけ出せなければならない」と述べた上で、公共図書館の基本的使命として「青少年の想像力と創造性に刺激を与える。」ことを掲げています。

 青少年の自己決定権を大切にし、青少年が豊かな情報や多様な表現を受領して想像力と創造性を高めることは、私たちの基本的価値である社会と個人の自由、繁栄および発展を支えます。行政は都民、国民が表現し、また表現を受領することへの規制に対しては、極力抑制的であるべきだと考えます。

 改めて、ひろく都民および言論、出版はじめ関係団体の意見を聴取し、慎重なご審議を要請いたします。

以上

http://www.jla.or.jp/jiyu/yousei201012.html

都条例改正案の問題点は払拭されたのか?













東京都青少年の健全な育成に関する条例の再改定案に反対するアピール(日本劇作家協会)

東京都議会に石原都知事が提出した「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」が、2010年11月22日に公表されました。この改定案は、今年の6月まで継続審議となったものの、多くの表現者や市民から、改正ではなく改悪であると、問題点を指摘され、廃案となったものを、更に改定したものですが、指摘された問題点の全てが温存されているばかりでなく、更に問題の多い内容となっています。

都の再改定案では「非実在青少年」という文言がなくなりましたが、十八歳未満の青少年の性行為を規制する内容は、実質、温存されたままです。

「刑罰法規に触れる性交」は、例えば、淫行条例の規定では「青少年(既婚者を除く十八歳未満の男女)との「わいせつな行為」を指し、真摯な恋愛であっても、青少年同士の性交であっても、それが既婚者を除く十八歳未満の男女であれば、この条例に触れる可能性があります。例えば『ロミオとジュリエット』のような低年齢者の親の反対する(法にも社会規範にも反する)恋愛と性交を美しく描いた作品や、それを現代に移し替えて翻案した作品は、どう判断されるのでしょう。

また同じ条項にある「婚姻を禁止されている近親者間における性交」は、黙阿弥の『三人吉三』や、『源氏物語』や、世界各地の神話などで、美しく描かれています。これも規制の対象になりかねません。

更に「漫画、アニメーションその他の画像(実写を除く)」に規制が限定されているように報道がなされていますが、上記の規定に加えて「強姦等の著しく社会規範に反する性交」という規定が新設され、それも合わせると、図書類、映画、演劇、全てのジャンルが規制の対象になり、青少年への閲覧制限をしない場合、懲役もしくは罰金の罰則となります。例えば、南北の『桜姫東文章』では十七歳の姫が強姦され、強姦した相手を恋慕した上に、売春もさせられる内容です。また、高僧と稚児との関係も美しく描かれます。古典には、遊郭を美しく描いた作品が少なくありませんし、現代劇においても、例えば、売春や強姦の問題も扱われている『欲望という名の電車』などの作品が、こうした規制を受け得るのか、危惧します。現在、国の法律や都の現行の条例では、ポルノと認定される作品や過激な性描写は、既に自主規制の対象となり、青少年への閲覧制限がなされていますし、児童ポルノも取り締まられています。

それにも関わらず、更に、広範囲に渡り、かつグレーゾーンの多い「刑罰法規」や「社会規範」のような、表現内容や思想性などにも関与できる規定で、あらゆる表現について「何が有害か」を国や自治体などの公権力が規定することには断固反対します。

また、根本的な問題として、この条文は、過去の法律の変遷と共に、社会や文化や表現があったことを考慮していないばかりでなく、法律が今後も様々に変わり続け、表現行為がそれに先行する場合もあることを理解していません。

また、市民にとって無益あるいは有害な悪法が制定された場合、更にその法によってこの条例の規制が強化される危険性についても無頓着です。(戦前の日本においても、公権力が様々な道徳観を押しつけ、隣組的な市民監視を推奨し、それが徐々に言論全体の統制や弾圧に拡大されました)

「表示図書類に関する勧告等」の条項における、知事の権限拡大及び規制強化も、全く変わっておらず、容認することはできません。

また、現行の児童ポルノ法でも批判の多い3号ポルノの定義を更に拡大し、十三歳未満の水着の画像を規制対象として保護者の責務を求めている条項は、到底、容認出来ません。(児童の水着姿を、扇情的かつ性欲の対象と捉えるより、ほほえましく美しいと感じる見方の方が一般的ではないでしょうか。3号ポルノの定義の危険性は、同一の写真であっても、見る側の視点によってポルノと認定されてしまう恣意性にあります)

更に、インターネット利用の条項では、本来青少年の教育指導について第一次的な役割を担う家庭での教育に対し、行政の介入、さらに曖昧な定義に基づく実質的な規制を行うとするものであり、国の基本理念に反し、憲法第94 条の定める条例制定権の範囲を明らかに逸脱した、違法なものである、との指摘があります。

有害情報を遮断するフィルタリングに、無害なものや有益なものまでも遮断する不備があることは衆知の通りですし、フィルタリングを利用するかどうかは青少年個人もしくは保護者との相談で自主的に判断すべきものですが、利用しない保護者に対し、都はその理由の事業者への提出と、そのリストの記録・保存を義務づけ、事業者への立ち入り調査も出来る規定になり、自主性尊重とはほど遠い、市民監視の条項も変わらないままです。

また、保護者の責務の条項では「青少年がインターネットを利用して違法な行為をし、又は自己若しくは他人に対し有害な行為をすることを防ぐため」と、「有害な行為」という曖昧な文言は残したままで、保護者に監督責任を義務づけています。

以上の理由から、私たちは、審議中の「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」に反対します。そして、現行の条例の問題点も含めた抜本的な議論を強く求めると同時に、この条例が、行政による一方的な表現規制ではないかという多くの識者の疑念を晴らすために、現行の「不健全」図書指定の審議会に対して、市民への全面公開や、指定の取り消し、異議申し立て手続きの整備を強く求めます。

2010年12月6日
一般社団法人日本劇作家協会
※表現や言論の各団体にこのアピールへの賛同を広く呼びかけています。

http://www.jpwa.org/main/images/pdf/appeal101206.pdf

東京都青少年条例による表現規制に反対する声明

東京都青少年条例による表現規制に反対する声明

日本マンガ学会理事会

 日本マンガ学会は西暦2001年に設立され、会員として国内外の研究者 約500人を集めており、日本学術会議の協力学術研究団体に指定されています。

 今年3月に提出され6月に否決された、マンガやアニメなどの視覚表現を規制する条例(「東京都青少年健全育成条例」改正案)が、この12月の都議会に再び提出されましたが、本学会はこれに対して強く反対するものです。

 今回提出された新改正案は、18歳未満という年齢制限を外し、「非実在青少年」という文言こそ取り下げたものの、規制の対象となる行為を、キャラクターの年齢に関わらず、 「刑罰法規にふれる性行為」および「結婚できない近親間での性行為」としたことで、逆に規制の対象はあきらかに広がっています。「刑罰法規にふれる性行為」の中には、いわゆる「淫行条例」も入りますから、18歳未満の性行為描写への規制は依然として残っており、かつ、「刑罰法規」の範囲は、明確そうに見えて実は曖昧です。「淫行条例」の適用範囲は、地方自治体によって異なりますが、マンガのキャラクターがどこに住んでいるかによって、適用される基準は変わるのでしょうか? あるいは時代物、SF/ファンタジーの場合はどうなるのでしょうか? いつの時代、いかなる世界設定であっても、現代の日本の「刑罰法規」がキャラクターに対して適用されなければならないのでしょうか? また、将来「刑罰法規」が変更された場合には、表現が許される範囲も変わるのでしょうか? フィクショナルなキャラクターに現実の刑罰法規を当てはめるのは、そもそも無理なのではないでしょうか。

 なにより、「刑罰の対象になる違法な性行為は、描くことも規制しよう」というのは、現実とフィクションとを区別しない、たいへん危険な発想だと思われます。今回の改正案では、それは「性犯罪」に限られていますが、この発想に従えば、規制の範囲が性犯罪に限られる理由はないからです。それがやがて「犯罪一般」を描くことの規制に移行しないと誰が言えるでしょうか。

 現条例には既に、「青少年に対し、著しく性的感情を刺激し、甚だしく 残虐性を助長し、又は著しく自殺若しくは犯罪を誘発するもの」を規制する条項があり、それに加えて新たな規制範囲を付け加える必要があるのかどうかには、慎重な判断が必要だと考えます。

 このような条例が、専門家の意見を聞くなどの十分な議論が積み重ねられることなく、極めて大雑把かつ拙速に制定されますと、芸術・表現・メディアへの重大な抑圧が生じる危険があり、ひいては文化全体への萎縮にもつながります。

 芸術・表現は、必ずしも倫理や教育効果のみを目的としません。人間や社会の否定的な面をも描くからこそ包括的で躍動的な文化全体を形成することができるのです。近代的な法体系(憲法秩序)においては「表現の自由」としてこれが保障されるのも、このような文化史的、文明論的な背景があるからです。本学会は、学校教育や都民啓発として青少年の健全な性意識を育成することに異議を唱えているわけではありません。条例という「禁止の形」で行政が文化に介入規制することに憂慮をおぼえるのです。

 東京都は日本の全自治体の中でも重要な位置にあり、都政は国政に準ずる意味を持ちます。その東京都においてかかる条例が可決施行されれば日本全体の文化の硬直・沈滞につながりかねません。

 また、大阪府や京都府などでも東京都の表現規制に呼応するような動きが見られることについても強い懸念を表明いたします。

2010年12月3日

http://wwwsoc.nii.ac.jp/jsscc/newspage/20101203assertion.html

第二東京弁護士会ひまわり | 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の一部改正案についての会長声明

2010年(平成22年)12月6日
第二東京弁護士会 会長 栃木敏明
10(声)第10号

 本年11月30日、東京都知事は、本年6月に否決された「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」を一部修正し、都議会定例会に提出した。
 当会は、従前の条例案に対し、表現の自由を著しく萎縮させる懸念があることを指摘し、子どもの権利保障の観点からの十分な議論と再検討を強く求めていたところであるが、今回の新条例案についても、表現の自由や知る権利、また、子どもの権利保障の観点からも、いまだ問題点が払拭されていないものといわざるをえない。

 まず、新条例案は、子どものインターネット利用に関して、保護者に対して、フィルタリングサービスを利用しない場合には、正当な理由を記載した書面をインターネット事業者に提出する義務を課している(第18条の7の2)。
 もし、東京都がこのような義務を課せば、保護者は、事実上フィルタリングサービスの利用をすることを選択せざるをえない。その結果、私たちの手の届かないところで一定の情報が一律に遮断されることを許容することになり、自由な情報の授受が不当に制限されているか否かの検証すらできない事態を招きかねない。

 また、新条例案は、実写を除く漫画、アニメについて、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為等を「不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現する」ものを規制の対象とし(第7条)、また、法律で定める「児童ポルノ」に該当しない13歳未満の子どもについての図書についても、「扇情的な姿態」「みだりに性欲の対象として描写」していることを要件として規制の対象としている(第18条の6の3)。
 しかし、いずれの要件も極めてあいまいな文言であるため、どのような表現行為がその要件に触れることになるかは最終的に公権力の判断次第ということになる。その結果、漫画家や出版界は、社会的意義のある表現行為まで自粛することを余儀なくされ、ここでも自由な情報の授受が不当に制限されかねないとの懸念が残る。

 もとより、子どもがインターネット上の情報の授受により人権侵害に巻き込まれたり、性的搾取により子どもの個人の尊厳が傷つけられている事態の改善に向けた取り組みは喫緊の課題である。
 他方で、多様な思想や価値観が自由に授受されることは、自由で民主的な社会の発展のために必要不可欠であり、そのためには表現の自由に対する公権力の干渉をできる限り排除しなければならない。このことは、2008年に成立した「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が、青少年のインターネット利用の環境整備について、「民間における自主的かつ主体的な取組が役割を担うべきであり、公権力は、これを尊重しなければならない」と定めていることからも明らかであって(同法3条)、新条例案は、同法の理念にも反するものである。

 新条例案に対しては、日本ペンクラブ、漫画家、出版界からも反対意見が出されている。
 当会は、東京都議会に対し、表現者が強く懸念する問題点を十分な時間をかけて真摯に議論し、併せて、「青少年の健全育成」を目的とした子ども・保護者・インターネット事業者に対する監視や規制の観点からではなく、子どもの権利保障の観点から再検討をされることを改めて求めるものである。

http://niben.jp/info/opinion20101206.html

都の漫画規制―手塚、竹宮の芽を摘むな(朝日新聞社)

漫画とアニメを名指しして、東京都が性描写の規制を強める条例の改正案を議会に出した。

 今年6月の議会で否決された案を手直しし、規制の対象を「法に触れる性行為や近親間の性行為を、不当に賛美し、誇張したもの」とした。

 漫画家、法律家、日本ペンクラブなどが「行政の勝手な判断で取り締まれる余地が大きく、創作を萎縮させる」と今回も強く反対している。

 都条例にはすでに「性的感情を刺激し、健全な成長を妨げるおそれがある本や雑誌を青少年に売ったり見せたりしない」規定がある。知事は、出版社などに必要な処置の勧告や、「不健全図書」の指定ができる。「わいせつ物」に該当すれば刑法の取り締まり対象だ。漫画は野放しではない。

 それでも不十分というのが都の言い分だ。確かに眉をひそめたくなる漫画もあるし、子供の手の届く所に置くべきでないと考える人は多い。

 しかし、そのためのルール作りと運用を、行政にゆだねることの是非は、切り離して考えなければならない。

 基本的人権の中でも最も重要な一つとされる「表現の自由」とかかわる規制だ。まず、当事者の自主的な取り組みを尊重するのが筋だろう。

 出版社や書店などの団体は、外部の有識者を加えた委員会を設け、青少年に不適切なものにマークを付け、書店で専用棚に置いたり、袋やテープで封じたりする自主規制をしている。

 多様な意見を聞き、自らをより厳しく律する努力を続けてもらいたい。7歳も17歳も「青少年」でくくる現状の矛盾の解決のために、読者の年齢を考えた表示の検討なども進めてほしい。

 意見が分かれる表現があっても、青少年に届けたい漫画はある。

 竹宮恵子さんは「風と木の詩」で、少年同士の性愛や父子の性関係を描いた。出版社は苦情を恐れたが、少女たちに性の問題を伝えたいと考えたからだ。文化庁長官を務めた心理学者の河合隼雄さんは「思春期の少女の内的世界を表現し切った」と絶賛。いまも広く読まれている。しかし改正案を額面通りに受け取れば、ずばり規制の対象だ。10代の読者に届かない。

 過去には、医学博士である手塚治虫さんが性教育の意味を込めた漫画が「悪書」扱いされたこともある。

 都は「そういう作品は規制しない」という。だが、そのさじ加減が行政の判断ひとつというのは心配だ。「描くことへの規制ではない」ともいう。しかし、産業でもある漫画は、流通にかかる圧力が表現に跳ね返りやすい。

 未来の手塚さんや竹宮さんが息苦しさに悩まされず、子供たちが優れた漫画に感動したり、考えたりする道を狭めないためには、公権力を介入させることに慎重でなければならない。

http://www.asahi.com/paper/editorial20101203.html#Edit1

またも漫画の取り締まり くまにちコム

またも漫画の取り締まり 2010年12月02日

 東京都は11月30日、過激な性行為を描いた漫画やアニメの販売などを規制する都青少年健全育成条例の改正案を都議会に再提出した。6月に否決された改正案の条文を一部修正、論議を呼んだ「非実在青少年」などの文言を削った内容だ。

 ただ、今回の改正案も前の案と同様、事実上、表現の自由を侵害するのではないかとの懸念が根強い。29日には有名漫画家と大手出版社幹部らが、会見で反対表明。ちばてつやさんは「条例案をこれでもか、これでもかと出してくる都の趣旨が分からない。漫画、アニメの文化がしぼんでしまう」、秋本治さんは「(規制対象が広がれば、自作の主人公の)両さんが普通の生活しか送れなくなる」など、強い危機感を訴えた。

 「児童ポルノの氾濫を見過ごせない」とする石原慎太郎知事の問題意識は理解できるが、表現の自由は民主主義の根幹であるだけに、規制には可能な限り慎重でなければならない。何より、現実の社会のゆがみに対する憤りを、虚構の世界の取り締まりに向けるのは、はっきり言って筋違いだと思う。

 熊本市では市青少年センターの専任指導員5人と市が委嘱する指導員517人が、繁華街や各中学校区を巡回し、声掛けや補導などに当たっている。また歳末に向けては、2学期が終業する24日に、県内一斉の街頭指導も予定されている。

 以前も書いたが、漫画やアニメの監視に目を光らせるくらいなら、その視線を現実の子どもたちに注ぐ方が、どう考えても合理的だ。地域の人たちが取り組む地道な活動こそ、子どもたちを守り育む要であることを再確認しておきたい。(宮下和也)

http://kumanichi.com/syatei/201012/20101202001.shtml

都の性描写規制 基準の押し付けはやめよ 新潟日報社

東京都は子どもを性行為の対象にした漫画やアニメを規制する都青少年健全育成条例の改正案を都議会に再提案した。
 6月議会で否決された当初案の文言を一部修正して出直した格好だ。
 作家でもある石原慎太郎都知事が表現の自由を危うくするような規制強化に固執するのは理解に苦しむ。
 条例が制定されれば、全国の自治体に大きな影響を与える恐れがある。慎重な審議を求めたい。
 当初案は、18歳未満の登場人物を「非実在青少年」と定義した上で、「強姦(ごうかん)など社会規範に著しく反した行為を肯定的に描写した」作品を不健全図書に指定し、青少年に販売、閲覧することを禁止していた。
 「非実在青少年」などというあいまいな概念を持ち出しての規制案が、反対多数で否決されたのは当然の成り行きといえる。
 改正案では、「非実在青少年」の文言を削除し、登場人物の年齢に関係なく、強姦などの違法行為を「不当に賛美・誇張」したものを規制の対象とした。だが、「不当に賛美・誇張」とは具体的にどういう描写を指すのかなど、不明確さを残したままである。
 登場人物の年齢に関係ないということは規制の拡大を意味するのではないか。見過ごせない。
 行政が条例で表現行為を規制していいのかという本質的な問題がある。適用範囲をなし崩し的に広げ、言論や表現の自由を封殺していった過去の歴史を忘れることはできない。
 漫画やアニメは日本が誇れる文化の一つだ。規制によって作家たちの創造力を萎縮させてはなるまい。
 漫画家のちばてつやさんが「意識のどこかに規制が働く環境では絵がどんどん死んでしまう」と強い懸念を表明している。
 当初案が否決された後、都は漫画家や出版業界も含めて幅広く意見を聞いたのか。業界は自主規制を図る考えを示していた。その議論を待つことなく、都が改正ありきで突き進む姿勢には違和感を覚える。
 子どもたちはいや応なく性に目覚め、関心と戸惑いを抱きながら成長していく。情報を得るのは、親や教師よりも友達や雑誌などを通してというケースが多いだろう。
 中には、子どもに見せたくない過激な行為を描写した作品もある。コンビニなどで簡単に買える環境を親が心配するのもよく分かる。
 大切なのは、何が許され、許されないのか、自ら判断し、律していけるよう育てていくことではないか。行政による基準の押し付けは、それを阻害するものと言わざるを得ない。

新潟日報2010年12月3日

http://www.niigata-nippo.co.jp/editorial/20101203.html

愛媛新聞社ONLINE 漫画規制、再び

100歳の魔法使いが少女に変身したことにすれば」「学ラン姿だけど留年した成人男性の設定で」―。順法精神のある漫画家や読者は真剣に考えた▲

 「非実在青少年」の響きに痛快さと危うさを察知したからだ。東京都の青少年健全育成条例。漫画やアニメ、ゲームの登場人物の性行為を規制する前代未聞の改正案は否決された。が、あの文言を削除して12月都議会に再提案されている▲
 問題は言葉ではなく、表現内容への公権力介入だ。いわゆる不健全図書をめぐる議論は出尽くし、指定制度による制限も機能している。都の意固地ぶりは米国のダーウィン論争や中絶論争をほうふつとさせる▲
 新しい改正案は「刑罰法規に触れるか、近親者の性交を不当に賛美・誇張して描写したもの」を対象に、青少年への販売を禁じる。明らかに規制の網が広い。弟と結婚したクレオパトラの物語さえ、さじ加減で摘発するのか▲
 たとえ規制が強化されても心配な親は言うだろう―「漫画なんて読まずに勉強しなさい」。その言葉、そのまま都に贈りたい。2次元世界にのめりこまず、現実の犯罪と向き合いなさい▲
 「石原慎太郎知事が小説家としてどういう作品を書いてデビューしたかもご存じだと思う」―改正案に反対する漫画家ちばてつやさんの談。そう、知事の小説をもとにした映画がきっかけで映画倫理委員会は発足した。

http://www.ehime-np.co.jp/rensai/chijiku/ren018201012030173.html

実在児童の人権擁護基金
(郵便振替)
10020-57716711
ジツザイジドウノジンケンヨウゴキキン

(ゆうちょ銀行)
店名:〇〇八(ゼロゼロハチ) 普通 5771671
ジツザイジドウノジンケンヨウゴキキン

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