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平成二十二年総務委員会速記録第八号|東京都議会(宮台真司)(2/6)

〇小磯委員長 ありがとうございました。宮台参考人の発言は終わりました。
 次に、宮台参考人に対する質疑を行います。

 なお、宮台参考人に申し上げます。答弁する際は、手を挙げて、委員長の許可を得てから発言していただきますよう、お願いいたします。

 それでは発言を願います。

〇鈴木委員 本日は、宮台先生、大変お忙しい中ありがとうございます。きょうは講義も幾つかあると聞いておりますけれども、大変過密な中お越しいただきましたことに、大変感謝をいたしております。

 今、先生の持論をたくさん述べていただきました。今回の条例改正案というその中身、特に七条について詳しく今お話しいただきましたけれども、この七条という追加されました項目というのが、大変、大きな課題がある、そしてまた幾つか危険性も伴っているのではないか、そういうお話が今の中にあったというふうに理解をしております。

 そんな中で、幾つか私の方からも先生にこれからご質問させていただきますが、先生は社会学を当然専攻されておりまして、いろいろな角度から今の時代を読み解いていかれる、それがお仕事だと私は認識しております。

 子どもたちを健全に育てること、これは先生からもこの中にお話がありましたけれども、保護者はもちろんですが、もちろん学校そして社会の責任であるわけですから、この大変複雑化した現在の社会にあって、子どもたちをどうやって守っていくのか、そして、それを守るために行政はどういう役割を担っていく必要があるのか。この辺のお話をわかりやすく、今お話も少しありましたけれども、お話しいただければなということと、また、今の子どもたちを育てていくためには、今、大変たくさん不健全なアニメや漫画が出ているのではないかという現状認識があるわけですけれども、その中にあってどのような扱いを社会としてしていけばいいのか。その辺の、先生の基本的なお考えをお話しいただければと思います。

〇宮台参考人 それではお答え申し上げます。

 少し迂遠な話ですけれども、日本は自殺率が大変高いんですね。イギリスの三倍、アメリカの二倍、先進国では最悪です。自殺率が高まったのは九八年からで、直前の九七年に平成不況の深刻化がありました。山一證券とか拓銀の破綻ですね。簡単にいえば、金の切れ目が縁の切れ目であるような、きずなのない社会ができ上がっています。自殺や孤独死や無縁死の要因分析をしても、金の切れ目が縁の切れ目だというこの社会の薄っぺらさがよくわかってまいります。

 性に関する犯罪に関する一般の不安も、実は行政が怠慢だからではなくて、我々が、社会の分厚さ、社会成員の相互のコミュニケーションを通じたきずなづくりや信頼づくりをちゃんと行っていないから生じているのではないかと考えるのが、学問的には最もオーソドックスな考え方です。もちろん社会だけでできることには限りがありますので、そこで行政が登場する。それを政治学では補完性の原理というふうにいいます。アメリカでは、そういうのを共和主義の原則というふうにいったりします。つまりこれは、特に先進国あるいは旧連合国の国々の標準的な考え方であります。

 したがって、社会の取り組み、人々がコミュニケーションを通じてそれをどう考えるのか、社会環境の変化をどうとらえるのか、これを見ていくということがとても大切です。
 行政は、その場合に、まず情報開示を徹底すると。例えば、いわゆる指定図書はどんどん減ってきていますね。以前は一月三十件とかあったのが、今は一月五件とか、そのぐらいに減っています。これも、実は行政がそれなりに有効に機能しているということの証左であります。何をもって、行政の働きが不完全であるので条例を改正しようというふうにいっているのか、僕には全くわかりません。

 それと兼ね合いですけれども、一般に、書店やそのほかの販売ルートにおきましても、十年前、十五年前に比べればゾーニングは圧倒的に進んでいます。あるいは、ゾーニングについて、特に業者だけではなくて、親や、親を含めた大人の意識も十分に高まってきていると考えます。もちろん、改めて、ゾーニングは重要なんだよ、ゾーニングというのはこういう意味だよ、成人は判断力があるからある程度いろんなものを享受してもいいけれども、あんた方はまだ判断力がないから、乏しいから、ちょっと十八歳になるまでは我慢してもらうよという、こういう理屈ですよね。

 今回の条例は、特に十八条の改正において、成人の努力義務を規定する場面におきまして、無限定的に成人の享受自体をもあしきことであるかのように行政が決めつけるようなニュアンスが漂っています。これは極めてゆゆしきことだと考えます。

〇鈴木委員 ありがとうございます。

 そういう中で、東京都側も大変努力は重ねている中ではありますけれども、今回の規定の中で幾つか、やはり今お話しいただきましたように、大変危険性をはらんでいる部分があるというお話だったというふうに認識をしております。

 そういう中で、この中にもありましたけれども、東京都は、この条例改正について都民にできるだけ理解をしていただく必要があるだろうということで、今回の条例改正案以降、問答集を出しておりまして、その中で、わかりやすく都民にこの条例を説明するという努力をしております。しかし先生の中では、ここに書いてありますが、基本的にはむだではないかというお話もありますけれども、その条例改正の問答集の中にも、今回、漫画やアニメの作家の方々の創作物に対しては決して表現規制はしていないんだと、もちろん検閲もしていないということを明確に示しております。

 そんな中で七条を読むにつけ、非実在青少年という文言からして、都知事も話をしておりましたけれども、大変わかりにくい造語であったり説明になっているということもあり、作家の方々も大変戸惑われて、実はこの条例に関してはいろいろなご意見をいただいています。

 そういう意味では、先生がこの条例を読まれて、どのように、この改正案の中で表現規制をしているか、していないか。検閲をしているか、していないか。率直に、どのようにお感じになったかを改めてお聞かせください。

〇宮台参考人 ゾーニングの場合、その場所、時間、対象、人物にかかわるカテゴリー分け、あるいは明確に何を限定して規定しているのかということが不可欠ですけれども、今回の条例改正案はそうした要件を全く満たしていません。

 まず、さっき、努力している、いないの問題を申しましたが、もっと重要なことは対象物にかかわる恣意性です。第七条二号、性的視覚描写物とは、非実在青少年の姿態を視覚により認識できる方法でみだりに性的対象として肯定的に描写したものなんですよ。なおかつ附帯条項で、青少年の健全な育成に反するものと。これは、主観次第では何でも入りますよ。こんな無限定的な規定を条例が掲げていること自体が、東京都の恥です。

 今のは対象にかかわる恣意性ですが、今度は主体にかかわる恣意性ないしは無限定性をお話をいたします。

 十八条の六の二、都は、青少年性的視覚描写物を蔓延させることにより青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて事業者及び都民の理解を深めるための機運の醸成に努める義務があると書いてあります。これは都の責務ですね。

 次に、事業者の責務を規定されています。事業者は、青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて、云々かんぬん??に留意し、他の事業者と協力して、青少年が容易にこれを閲覧または観覧することのないようにするための適切な措置をとるように努めるものとする。そして、成人の都民もこのような責務を負うんです。

 都民は、青少年をみだりに性的対象として扱う風潮を助長すべきでないことについて理解を深め、青少年性的視覚描写物が青少年の性に関する健全な判断能力の形成を阻害するおそれがあること、これは科学的に完全に無根拠ですが??に留意し、青少年が容易にこれを閲覧または観覧することのないように努めるべきである。

 この、俗にいう蔓延抑止規定はおかしくありませんか。もともと東京都の青少年条例は、青少年のアクセシビリティー、つまりアクセス可能性を制限するものだったんじゃありませんか。

 特にこの十八条の六の四、これは何ですか。まるで、成人が青少年性的視覚描写物を堂々と享受することが恥ずべきことであることのような、そんな書き方じゃありませんか。こういうことを行政は絶対にやってはならないのです。これは完全に自明だというふうに思います。

 以上です。

〇鈴木委員 ありがとうございます。大変参考になりました。

 時間が余りなくなりましたので、私から最後の質問をさせていただきますけれども、今回、この条例改正案が提出されてから、私のところもそうですけれども、各委員のところにたくさんのメールやあるいは速達でのはがきもたくさん来ました。全国から来ております。

 その中で、大変反対意見が多い中で皆さんがいうのは、漫画、アニメは日本の世界に誇れる文化でありながら、今回の条例改正によってそれがなくなってしまうんじゃないか、あるいは衰退してしまうんじゃないか、そんな危惧を持たれている方々がたくさんいらっしゃいました。

 そういうアニメや漫画文化を健全な産業、健全なというのがどういう意味を持つのかも、またこれも議論なんでしょうけれども、これをしっかりと産業として育てていくために、今後、業界がどういうことを必要とすべきなのか。あるいは閲覧されている読書や観覧されている方々に、守るべきことなどがあれば、社会学の見地からお話をいただければと思います。

〇宮台参考人 最も重要なことは、設定とキャラクター、つまり見え方が分離するのが日本の漫画やアニメ文化の特徴で、それが今、世界に名だたるジャパニーズコンテンツ、つまりクールジャパンなるものの真髄を構成しているということは、日本人のみならず外国の人たちを含めて、もう常識化していることなんですね。なので、この設定とキャラクターが乖離する、つまり設定は成人なのに見ばえが十三歳に見えるとかという、そういうコンテンツをどう規制するのかという、簡単にいえば参考事例は、海外には全くありません。

 むしろ、今後ジャパニーズコンテンツの世界におけるヘゲモニーを維持するべきであるとするならば、日本がまず率先して、設定とキャラクターの乖離が存在するような表現について、行政がというよりも、市民のどういうかかわりを、行政が支援しようとしているのかということをはっきりさせる。

 つまり、日本が先陣を切って、こうしたコンテンツが従来の児童ポルノとは異なるのである、あるいは従来の児童ポルノの規制とは同様な図式では扱うことができないのであるということを、世界に向けて発信するべきなんですね。

 東京都の今回の条例改正案は、全く逆向きであるというふうに考えます。

http://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/soumu/d3010198.html

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