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第二東京弁護士会ひまわり | 「東京都青少年の健全な育成に関する条例」の一部改正案についての会長声明

2010年(平成22年)12月6日
第二東京弁護士会 会長 栃木敏明
10(声)第10号

 本年11月30日、東京都知事は、本年6月に否決された「東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例案」を一部修正し、都議会定例会に提出した。
 当会は、従前の条例案に対し、表現の自由を著しく萎縮させる懸念があることを指摘し、子どもの権利保障の観点からの十分な議論と再検討を強く求めていたところであるが、今回の新条例案についても、表現の自由や知る権利、また、子どもの権利保障の観点からも、いまだ問題点が払拭されていないものといわざるをえない。

 まず、新条例案は、子どものインターネット利用に関して、保護者に対して、フィルタリングサービスを利用しない場合には、正当な理由を記載した書面をインターネット事業者に提出する義務を課している(第18条の7の2)。
 もし、東京都がこのような義務を課せば、保護者は、事実上フィルタリングサービスの利用をすることを選択せざるをえない。その結果、私たちの手の届かないところで一定の情報が一律に遮断されることを許容することになり、自由な情報の授受が不当に制限されているか否かの検証すらできない事態を招きかねない。

 また、新条例案は、実写を除く漫画、アニメについて、刑罰法規に触れる性交若しくは性交類似行為等を「不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現する」ものを規制の対象とし(第7条)、また、法律で定める「児童ポルノ」に該当しない13歳未満の子どもについての図書についても、「扇情的な姿態」「みだりに性欲の対象として描写」していることを要件として規制の対象としている(第18条の6の3)。
 しかし、いずれの要件も極めてあいまいな文言であるため、どのような表現行為がその要件に触れることになるかは最終的に公権力の判断次第ということになる。その結果、漫画家や出版界は、社会的意義のある表現行為まで自粛することを余儀なくされ、ここでも自由な情報の授受が不当に制限されかねないとの懸念が残る。

 もとより、子どもがインターネット上の情報の授受により人権侵害に巻き込まれたり、性的搾取により子どもの個人の尊厳が傷つけられている事態の改善に向けた取り組みは喫緊の課題である。
 他方で、多様な思想や価値観が自由に授受されることは、自由で民主的な社会の発展のために必要不可欠であり、そのためには表現の自由に対する公権力の干渉をできる限り排除しなければならない。このことは、2008年に成立した「青少年が安全に安心してインターネットを利用できる環境の整備等に関する法律」が、青少年のインターネット利用の環境整備について、「民間における自主的かつ主体的な取組が役割を担うべきであり、公権力は、これを尊重しなければならない」と定めていることからも明らかであって(同法3条)、新条例案は、同法の理念にも反するものである。

 新条例案に対しては、日本ペンクラブ、漫画家、出版界からも反対意見が出されている。
 当会は、東京都議会に対し、表現者が強く懸念する問題点を十分な時間をかけて真摯に議論し、併せて、「青少年の健全育成」を目的とした子ども・保護者・インターネット事業者に対する監視や規制の観点からではなく、子どもの権利保障の観点から再検討をされることを改めて求めるものである。

http://niben.jp/info/opinion20101206.html

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